運動の後に摂取するサプリメントとして、トレーニーやアスリートから注目されているクレアチンとプロテイン。異なる特性を持つこれらのサプリメントは、どちらを選べばいいのでしょうか?
クレアチンの期待される効果
クレアチンは、筋肉にエネルギーを供給するためのATP(アデノシン三リン酸)の生成をサポートする役割を持っています。瞬発力、パワー、スピードが重視される短時間・高強度の無酸素運動において、クレアチンの補給が筋力や持久力をサポートするとされています。
主な効果:
- 筋力と持久力の向上:クレアチンの補充によって、高強度トレーニングでの筋力向上が期待されます。
- 筋肉の成長促進:クレアチンは筋細胞の水分保持をサポートし、筋肉量の増加が期待されます。
- 筋肉の回復促進:運動後のクレアチン摂取は、筋肉の回復を促進する効果が期待されます。
プロテインの期待される効果
プロテイン(タンパク質)は体の組織を作るうえで大事な栄養素であり、筋肉を作るうえで欠かせない栄養素です。運動後にプロテインを摂取することで、筋肉の修復と成長をサポートします。特にホエイプロテインは速やかに消化・吸収され、筋肉の回復を促すとされています。
主な効果:
- 筋肉の修復と成長:プロテインは、特に運動後の筋肉の修復と成長をサポートすると言われています。
- 筋肉量の維持:減量中や長期的なトレーニングにおいて、筋肉量の維持を助ける重要な栄養素として機能します。
- 代謝向上:プロテインは消化にエネルギーを消費し、基礎代謝の向上が期待されています。
結論
クレアチンとプロテインは、どちらも運動後に摂取することで筋肉の成長や回復をサポートする効果が期待されます。プロテインが筋肉を作る栄養素となるのに対し、クレアチンはそれを動かすエネルギー源として機能します。両素材が体内で果たす役割・作用機序は異なっているため、併せて摂取することで単独で摂取するよりも高い効果が得られると期待できるでしょう。
ただし、クレアチン、プロテインを摂取するメリットは多くありますが、過剰摂取は腎機能に負担をかける可能性があるため、適量を守ることも大切です。使用する際には個人個人の目的や健康状態に応じて適切に選択しましょう。必要な場合は、専門家のアドバイスを求めると良いでしょう。
参考文献
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Phillips, S. M. (2004). "Protein requirements and supplementation in strength sports." Nutrition.
Poortmans, J. R., & Dellalieux, O. (2000). "Do regular high protein diets have potential health risks on kidney function in athletes?" International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism.
一般社団法人日本スポーツ栄養協会SNDJ
https://sndj-web.jp/news/000606.php